2019年7月17日水曜日

「誰が星の王子さまを殺したのか」

先日、83歳になる母親に”れいわ新撰組”の街頭演説を見せたところ「みんないいこと言うねえ、テレビで放送すればいいのにねえ」と。しかしそれは21日が終わるまでは無いだろう。
写真はそんな”れいわ新撰組”から立候補している安冨あゆみさんの著書「誰が星の王子さまを殺したのか」。サン=テグジュペリの「星の王子さま」を安冨流に解釈したユニークな本だが、名言とされる「大切なものは目には見えない」を真理でもなんでも無い危険な言葉と言い放ち、キツネの言う「飼いならす」はセカンドハラスメントと断言するあたり、この物語の印象が145度ほど変わってしまう、なかなか興味深い本である。



「星の王子さま」に限らず、私たちは難解な作品に出会った時、批評家や多くの人の意見を参考に読み解こうとするが、いつの間にやらそこにある他者の言葉を理解することに終始し、それでわかったつもりになってることも少なく無いのかも知れない。果たして自分の判断は自分のものであったろうか、こんな本を前にするとそんなことを考えてしまうものである。

私たちが”政治”に対して持つイメージも、多くの既存の言葉に置き換えている部分が強いのかもしれない。だとすれば、今回の参院選が非常に面白いと感じるのは、そんな既存のイメージを払拭する選挙活動をする候補者がいるからだろう。安冨さんもその一人だが、彼らに共通しているのは単に政策を訴えるだけでなく、私たち一人一人に向けて意識改革を促し、議席を取ること以上に各々の意見を広めることを目的にしていること。
この選挙の結果がどうあれ、今後様々な形で彼らが影響を残すことを期待したい。