パレスチナ出身のイラストレーター、ナージー・アル・アリーの作品を見ていると、パレスチナを含むアラブ世界が西側によって何をどのように収奪され続けてきたのか、私たち日本人にでさえその苦しみの一部を知ることができるように思える。”メディウム”が本来の意味の通り不在のものと私たちを結びつける力があるとするならば、それは彼の作品のようなものを指すのかも知れない。時に”イメージ”は複雑に歪んで見え難いものを真摯に伝え、言葉以上に強く語りかける力をもっている。
「A child in palestine」
(Nājī Salīm al-'Alī、1938 - 1987)